占いと言えば『新宿の母』
東京・新宿には、朝早くからズラッと人が並んでいる人たちがいます。目的は、『新宿の母』。占いに興味のない人の中には こんな朝早くから人が並んでいるのは、ホームレスの人にほどこしをするための何かをしているのだろう、と思っている人もいるとか、いないとか・・・。 確かに、現代人は何かと悩みが多いもの。とは言え、いくら占いで有名な『新宿の母』ではあっても、朝早くから多くの人が並んでいるというのも、 それ自体が現代社会の問題であるような気がします。
もちろん、並んでいる人たちは藁にもすがる思いで『新宿の母』を訪ねるために、朝早くから並んでいるのでしょう。 しかし、その多くはどう見ても悩んでいる人には見えないものです。 果たして、占いにすがらなくてはならないくらいの悩みというのは、何なのでしょう?
その人、その人で、抱えている悩みは違うでしょうが、それはもしかしたら、占いではなく現実に即した社会生活を営むうえで習得すべき スキルによって解決できる問題なのではないでしょうか。ちょっと難しい言い方をしてしまいましたが、例えば、人間関係に悩んでいたとします。 恋人の気持ちが解からない、とか。でも、他人の気持ちというのは、本来、解からなくて当たり前なんです。 何故なら、自分とは違う意思を持って行動している他人なんだから。そこでポイントになるのは、相手を信じるための根拠や、 相手を不必要に疑ってしまうような自分の思考方向の歪み。 それは、自分が相手と今まで付き合ってきた中で相手の人となりを見極めようとしてきたか、とか、 今まで生活してきた環境の中で出来上がってしまった自尊心のなさから来たものかもしれません。
とにかく、そういうものは「占い」ではなく、自分自身をより良い人間にしていくよう自分自身が努力していくことでしか解決できません。 自分で自分を肯定し、愛し、育んでいく。そういう作業をしてきたかどうかで、現代人が抱えている悩みというのは、解消できる場合が少なくないのです。